教育の3ポリシー

ディプロマポリシー:卒業認定、専門士授与基準

本校では、下記8つの力を卒業までに身につけることを重視し、所定の単位を修得した学生に卒業を認定し、医療専門士を授与する。

①人を理解する力

②看護を実践する力

③高い倫理観と責任感

④人間関係を築く力

⑤連携・協働する力

⑥地域・家族を支援する力

⑦時代の変化に対応する力

⑧研鑽し探求する力

  • 1)慈愛の心で人間を広く、深く理解し、看護の対象を生活者として全人的に捉えることのできる豊かな人間性が形成されている。
  • 2)科学的根拠に基づき、看護を創造的・計画的に実践する基礎的能力を修得している。
  • 3)専門的知識・技術を駆使し、健康の状態やその変化に応じて系統的な対応ができる臨床判断を行う為の基礎的能力を修得している。
  • 4)安全な医療を提供する専門職者として自覚と責任を持ち、高い倫理観に基づいた行動がとれる姿勢を身につけている。
  • 5)対象や対象を取り巻くあらゆる人達との相互関係を成立・発展させるために、多様な価値観を理解し、人間関係を構築する基礎的能力を修得している。
  • 6)地域包括ケアシステムにおける自らの役割及び多職種の役割を理解し、多職種と連携・協働しながら、あらゆる場で生活する人々へ看護を提供する基礎的能力を修得している。
  • 7)変動する社会に目を向け、臨機応変に物事をとらえながら主体的・創造的に看護を生み出していく力を修得している。
  • 8)看護実践をとおして、看護の悦びや厳しさを体験し、質の高い看護を探究し続ける姿勢を身につけている。

カリキュラムポリシー:教育課程編成、実施方針

本校の教育理念、教育目標達成のため、以下の方針で教育課程を編成・実施する。

  • 1)「人間を理解する力」

    豊かな人間性を形成する基盤は当法人「慈愛の心」を育むことであり、全科目の基盤となる。基礎科目に「慈愛の心」を科目立てて、1年次の初期に学習する。また、幅広い教養を身につけ、人間を生活者として全人的に捉える力を育成するため、基礎分野において「科学的思考の基盤」となる「生命のしくみ」「看護における自然科学」を配置する。また、「人間と生活・社会の理解」において「コミュニケーション論」「心理学」「文化人類学」等を学習する。
    基礎分野を土台に専門基礎分野では、「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」を通して人体の機能と病態をつなげて学習する。特に本校では、解剖生理学と病態論を分離せず、各機能と病態をつなげて学習する。そのため、機能病態学Ⅰ~Ⅵを科目立て、その枠組みを基礎看護学で学ぶ各看護技術、成人看護学の各援助論へと連動させる。また、看護につながるよう「看護薬理学」「看護栄養学」として演習を取りいれながら、人間を全人的に広く、深く理解できるように学習する。

  • 2)「看護を実践する力」

    基礎分野である「論理的思考の基礎」、「慈愛の心」を基に、各専門基礎分野の知識を活用し専門分野の各看護学を学習する。科学的思考に基づく看護実践の基盤となるフィジカルアセスメントはⅠとⅡより構成し、2年次は、フィジカルアセスメントⅡの科目で臨床判断力強化のために、シミュレーション演習を取り入れて学習する。また、看護実践プロセスの思考過程は、ヘンダーソン看護論を活用し、対象のニード充足にむけた看護実践の方法を学習する。また、基礎看護学を基盤に地域・在宅看護論を位置づけ、各看護学に共通する精神看護学を学び、各看護学の援助論へと発展させる。

  • 3)「高い倫理観と責任感」

    基礎分野である「倫理学」「慈愛の心」の基に、専門基礎分野に「関係法規」を配置し、看護職における法的責任を理解する。また、専門分野では、基礎看護学において「看護倫理」を科目立てる。その学びを各看護学へと発展させ、臨地実習で醸成していく。実習では、倫理観と責任感を培うため、倫理カンファレンスを各実習で取り組む。また、専門分野の看護の統合と実践の「医療安全」「災害看護」において、安全意識を高め、リスク管理の実際を学習する。

  • 4)「人間関係を築く力」

    対象を取り巻くあらゆる人々との関係構築のために、専門職に限らず、多様な人々の価値観を理解する必要がある。本校では、基礎分野において「教育学」「コミュニケーション論」を科目立て、幅広くコミュケーション技法を身につけられるようにする。また、臨地実習やさまざまなクラス活動、グループ学習等を通して人間関係を築く力を身につける。

  • 5)「連携・協働する力」

    チーム医療としての看護職の役割を担うため、専門基礎分野において「総合保健医療論Ⅱ」を科目立て、多職連携について演習を取り入れ実践方法を学習する。その土台となるものは専門科目の各看護学援助論や臨地実習(特に看護の統合と実践実習Ⅰ)であり、既習の学びと関連させながら、連携・協働する力を身につけられるようにしていく。

  • 6)「地域・家族を支援する力」

    地域包括ケアを推進する看護師を育成するために、基礎分野で「文化人類学」「家族社会学」を科目立て、地域や家族の捉え方の基盤を学習する。専門基礎分野では、地域で暮らす人々の健康支援と社会保障制度の科目「社会福祉Ⅰ」「社会福祉Ⅱ」を2科目配置し演習を通して資源の活用を学習する。さらに「公衆衛生学」「総合保健医療論Ⅰ」を通して地域の健康を守り支援する看護活動を学習する。
    さらに、専門科目では「地域・在宅看護論」を6単位として位置付け、「地域と暮らし」「家族看護学」「暮らしを支える看護Ⅰ・Ⅱ」「在宅療養を支える看護Ⅰ・Ⅱ」で構成し、1年次より地域の暮らしや看護活動に関心がもてるように科目を配置する。また、臨地実習は「地域・在宅看護論実習」4単位を位置づける。また、鹿児島県の島しょ医療・看護の実際を体験する学習を1年次に配置する。

  • 7)「時代の変化に対応する力」

    変動する社会に目を向け、主体的・創造的な看護を生み出す力を身につけていくための科目として、基礎分野において「看護における情報科学Ⅰ・Ⅱ」を科目立てている。1年次にICT活用の基本的な技術を学習し、3年次に時代を見据えた情報管理を学び、マネジメントに活かす基盤をつくる。また、国際社会に貢献しうる人材を育成するための「英語」や専門分野では看護の統合と実践において「看護管理・国際看護」を学習する。

  • 8)「研鑽し探求する力」

    基礎分野の「論理的思考の基礎」「看護における情報科学」「慈愛の心」を下に、専門基礎分野「臨床判断演習Ⅰ・Ⅱ」「総合保健医療論Ⅱ」等の演習を通して探求する力を身につける。専門科 目では「看護研究」の中でケーススタディに取り組み、研究的姿勢を育む。

各科目実習では、これらの8つの力が統合される科目として位置付け、学内の各科目での学びを発展できるよう位置づける。また、本校の実習は関連施設の強みを活かし「地域・在宅看護論実習」の拡充、チーム医療実践や臨床判断力を育む看護実践の場として「看護の統合と実践実習」を拡充する。

アドミッションポリシー:入学者受入れの方針

本校では、創立理念である「奨学」と「慈愛」のもと、親が子を慈しみ家族を愛するように、対象を広く、深く理解し、生命の尊厳、人格を尊重する豊かな人間性を有した看護師を育成することを目指しています。そのために以下のような学生を求めています。

  • 1)慈愛会理念である「慈愛の心」に共感し、全ての人に感謝と誠実な心をもって接することができる人
  • 2)看護学を学ぶために必要な基礎学力を持ち、論理的に考えることができる人
  • 3)豊かな感性をもち、他者との柔軟なコミュニケーションが図れる人
  • 4)仲間と共に学び合い、看護実践の楽しさや深さを発見し、持続的に学ぼうとする意欲を持つ人
  • 5)看護学に関心をもち、地域・社会に貢献する意欲がある人

以上に基づき、本校の理念に掲げる多様な学習者の志を支援します。上記にふさわしい学生を受け入れるため、以下の能力や適性を持つ学生を選考します。

入学選考は、推薦入学、一般入試、社会人入試、特別入試の4種類があります。

  • 1)高等学校における教科を広く理解し、高い基礎学力と論理的思考を有していること(現代国語、数学Ⅰ)
  • 2)コミュニケーションの基盤となる国語能力を有していること(現代国語)
  • 3)英文を読んで理解し、英文で表現するための基礎的能力を有していること(英語)
  • 4)論理的思考能力を有していること(小論文)
  • 5)感性や意欲、コミュニケーション能力、「慈愛の心」への関心を有していること(面接、志望動機、高等学校調査書等)